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 ここ数週間、大学の倫理学の授業でカントの倫理学についてやっています。倫理学には主に価値倫理学と義務倫理学というものがあり、前者は価値を重視し、後者は義務を重視した倫理学です。カントの倫理学は義務倫理学の方で、人間は幸福を追求する前に本来守るべき道徳を守らなくてはならないと、カントは主張しています。今日の倫理学の授業では、カントが自由についてどのように論じたかが取り上げられました。ここで本題なのですが、僕はこの授業を聞いて、じゃあ規則に従う自由は自由なのかという疑問が出てきました。
 規則は守るべきもので、それには絶対に従わなくてはならない。そこには自由など存在しないとだれもが考えると思います。しかし、規則に従わない自由だってあります。それでも、大半の人が規則に従います。はたして、規則に従う多くの人は自由な判断で規則に従っているのでしょうか。
 この倫理学の授業を受ける数年前に、ある英文を見たことを思い出しました。でもその英文はどこで見たかだれが書いたものか全く思い出せません。たしか、その英文の大まかな内容は以下の通りだったと思います。「たとえ誰かに強制されたものであっても、規則に従うかどうかは最終的にその人自身にゆだねられており、規則に従えばその人自身が自分の判断で行ったことになる。なぜなら、強制されたものでも拒否することができるからです。」つまり、どんな状況でもあなた自身に選択の自由があるということです。
 でも、脅されて強制されたなら選択の自由などないのではないのか、と反論する方もいらっしゃるでしょう。しかし、脅されて恐怖を与えられても、やるかやらないかはあなた自身で決められるので、あなた自身に選択の自由があると考えることもできます。
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